そろばんは、小学校低学年の習い事として人気があります。計算力や暗算力をつけるほかに、右脳の活性化も期待できるようです。「ようです」と書いたのは、私がそろばんのことを詳しくは知らないからですが、日本の伝統的な「学び」のひとつとして、一定の効果が期待できることから、おけいこごととして根付いているのだと思います。
さて、そろばんを習うのも良いことですが、算数を教える立場として困ることがあります。それは、そろばんの力がそれほどついていないお子さんが筆算を怠って、たびたび計算間違いを起こすことです。
そろばんでは、フラッシュ暗算など、頭のなかで玉をはじき答えを出す練習をすることから、その練習をはじめたお子さんは、計算は書くものではない、頭で計算しないと・・という習慣がついてくるのかもしれません。
2桁~4桁のたし算くらい、すらすらと完璧に解答できる力があるのでしたら、あえて筆算する必要はありません。
しかし、そろばん級が進んでいないお子さんは、算数の先取り学習中に暗算しようとして、ぼろぼろ計算ミスすることがあります。また、お子さんによっては、計算は正しいが、筆算するよりも遅い暗算のこともありました。これでは暗算する意味がありません。
算数は筆算による計算が基本です。筆算式を書いて手で計算します。計算したら、しっかり確かめ算をして、一題ずつこなしていきます。すばやく完璧に計算できるようになるまでは、2桁のたし算、ひき算でも筆算しなくてはいけません。
そろばんの級よりも先の算数学習をしているお子さんは、頭の切り替えをして、算数学習では、常に筆算をする習慣を身につけましょう。
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