こんにちは、講師の伊藤です。
今回は【関数の使い道】についてお話ししましょう。
前回、関数とはどんなものかを説明しましたが、まだ「関数なんて何のためにあるの?」「あんな面倒なもの発明しなければよかったのに(怒)」と思っている人も多いかと思います。僕もそう思うことがまれによくあります。
それもそのはず、前回までのお話では【関数の使い道】まではお話ししていません。
今回は、なぜ関数を使うのか?どのように使うのか?を説明します。
【関数の使い道】が分かれば、関数がいかに便利なものか分かるでしょう。
あるとき桃太郎が鬼退治に行くので、おばあさんがきびだんごを作ってくれました。
おばあさんは3秒で1個のきびだんごを作ります。岡山のきびだんご職人もびっくりである。
桃太郎はたくさんのきびだんごを持って鬼退治に行きました。
数日後、鬼が復活したとの知らせを聞いた桃太郎は第二次鬼征伐に行くことにしました。
しかしながら、この日おばあさんは朝から川へ洗濯に行っているので、かわりにおじいさんが作ってくれました。
おじいさんは料理に慣れていないので、1個のきびだんごを作るのに12秒かかってしまいます。
そのため、前回よりも70個少なくなり、時間も1分長くかかりました。
ガンバレおじいさん!
では、きびだんごのプロ・おばあさんはいくつのきびだんごを作ったのでしょうか?
おばあさんが作ったきびだんごの数をx個、おばあさんがかかった時間をy秒として考えていきます。
『作ったきびだんごの数を入力すると、かかった時間を表示してくれるマシン』ととらえましょう。
おばあさんは1個作るのに3秒かかるので、x個作るのにかかった時間yは次のようにあらわせます。
3x = y ―― (1)
同様におじいさんは1個作るのに12秒かかり、おばあさんよりも70個少なく、また1分(=60秒)長くかかったので
12(x-70) = y+60 ―― (2)
この2つの式をいろいろと変形してxが求められれば、おばあさんが作ったきびだんごの個数が分かりますね。
式(1)から3xとyが等しいことが分かるので、(2)式はつぎのように変形できます
12x-840 = 3x+60
両辺から3xをひき、840をたすと
x = 100
よっておばあさんが作ったきびだんごの数は100個ということになります。
鬼が島に行くのに、そんなに持っていく必要があるのかという量ではありますが、僕も帰省する際に色々持っていって結局使わなかったということがよくあります。
「これくらい関数を使わずとも解けるよ」という意見もあるかもしれません。
確かにこの程度の問題なら数学の知識のない小学生でも解けるかもしれません。
しかしながら、高校そして大学と進むにつれて計算の内容も複雑になっていきます。
そうなると、やはり関数があるとないとでは大きな差が出てきます。
今はピンと来なくても、「関数とか難しそう…」と毛嫌いだけはしないようにしましょう。
高校時代に古文・漢文を毛嫌いしていた僕が言うのもなんですが。
次回はいろいろな関数のグラフについて見ていきます。
それでは!
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